令和元年度年度取組事例集

取組団体


塚原海岸アート実行委員会
代表者 村井 俊道さん


取組名称


塚原海岸にアートで希望と笑顔の広場をつくる取組


取組の概要

 人口が激減した南相馬で地域のつながり創出と、津波による被災後の風景の再生などの課題を解決する取組として、海岸アートを実施しました。震災前の風景が失われた海岸公園を、地域の歴史を伝え、復興への希望を発信する場として再生することを目指しました。震災後に建設された巨大防潮堤を、地域の過去・現在・未来を伝えるアートで彩りました。

 

取組の様子

 お盆の帰省時期に合わせて、塚原海岸公園の防潮堤において、アートフェスを開催しました。事前に、震災後に休校している小学校の校舎を借りて、アートユニットNANNOMIYAなのみや監修のもと、防潮堤に飾る防炎シートに地域の過去・現在・未来をテーマとした下絵を描きました。色塗りと仕上げには、地域内外からの参加者を募り、巨大アートを完成させました。

 当日は、巨大アートのお披露目やアートユニットよる絵の解説に加え、真っ白な防炎シートに自由な絵を描くコーナーや、丸石にアートを描く企画を準備し、子供からお年寄りまで総勢約50名の参加者で賑わいました。その後一週間の期間限定で防潮堤にアートを展示し、アートフェスに来られなかった方にも絵を見てもらう機会をつくりました。アート見学と合わせて海岸を散歩する人々を見ることができました。また、あかりのファンタジーイルミネーションinおだかに合わせて、まちなかに新たにつくられた小高交流センターにおいても巨大アートを展示し、多くの来訪者に地域の歴史や復興への希望を発信することができました。

実施者の声

 さまざまな人が立場を越えて被災地域に想いを寄せる機会となりました。参加者全員で震災前の記憶の風景を共有し、地域の未来のことを考え、想いを巡らせることができました。巨大アートの防潮堤への常設は、多くの制約がありますが、機会を見つけて再び展示するか形を変えて継承するなどし、引き続き地域の魅力を発信していきたいです。

参加者の声

「お墓参りで帰省した際に、偶然通りかかって参加しました。昔の風景を思い出し、懐かしい人たちとも再会することができました」

「他県からボランティアで参加しましたが、地元の皆さんが頑張っていらっしゃる姿を見て心を打たれました」