令和3年度取組事例集

取組団体


なみえコミュニティシネマ実行委員会
代表者 岸本 あすかさん


取組名称


ピクニックシネマプロジェクト


取組の概要

 浪江町では震災から11年経った現在でも未だに多くの方が避難を続けており、帰還率は1割未満です。元々地域に根付いていたコミュニティは失われ、帰還町民と移住者が交流する機会もほとんどありません。そこで、この取組では、誰もが気軽に集える場を提供することによる、世代を超えたつながりの創出や地域の活性化、交流人口の拡大を目指し、町内での野外上映会「ピクニックシネマ」を開催しました。

 

取組の様子

 浪江町の復興のシンボルとして開業した「道の駅なみえ」の駅舎裏側に、大型スクリーンを設置し、「クリード チャンプを継ぐ男(吹替版)」を上映しました。集客はSNSや地元の新聞などで周知を図り、10代未満から70代までの約100名が参加。参加者の約半数は、浪江町在住・在勤の方や浪江町出身の方でした。

 会場はピクニック気分で映画を鑑賞してもらえるよう、芝生の観客エリアを用意。参加者はシートなどを敷き、思い思いに映画を楽しんでいました。また、飲食や物販ブースでは参加者同士の交流が促進されました。上映作品は「世代を超えた絆」をテーマに、高齢者と若者が支え合いながら、共に困難に立ち向かう姿を描いた作品を選定し、浪江町で実現したいメッセージを込めました。

 会場の設営・撤去、当日の受付や進行、誘導などの運営業務は、町民にボランティア参加を呼びかけて、主体的にイベントに携わってもらい、協力して取り組むことができました。上映会の翌朝には、上映会場周辺のごみ拾いを参加者で実施。映画の感想を共有し合いながら交流を図りました。

実施者の声

 新型コロナウイルスや台風の影響で直前まで不安でしたが、無事に開催することができました。初めての挑戦でしたが、町内外から約100名の方が参加してくださいました。参加された方からは温かいコメントや感想を多くいただき、今回の取組の意義や伝えたいメッセージは参加者の方に伝わったと実感しています。

 今後も、浪江町でこうした取組を継続して行い、町の新たなイベントとして定着させるとともに、さまざまな世代の交流機会を増やし、地域の活性化に貢献していきます。

参加者の声

「“今の浪江町”と重なる部分があり、自分たちで浪江町を創っていくことの大切さ、そのエネルギーを映画からもらえました」

「大きいスクリーンで大勢の方と同じ空間で感動を味わえました」

「コロナ禍でなかなか楽しむ機会がなかったので、取組をぜひ継続してほしいです」