令和4年度取組事例集

取組団体


「ふくしまあじさい会」
代表者 安倍 一さん


取組名称


「地元医療機関との交流事業(講義、花き植栽、除草作業等)と、福島生きがい/元気教室」


取組の概要

 震災から12年が経ち、各地域の避難者の集いは、高齢化、体調不良、運転免許証返納などで参加者が減少し、以前のような活気を感じられなくなって来ました。当会も例外ではありませんが、参加者は月に一度の集会を心待ちにし、生きがいとしている方も少なくありません。そこで、今年度は「食と健康」をテーマに会を開きました。講師も「身近な同郷の方」とし、地域で生業を持たれている方や、資格を持っている方を選任しました。


取組の様子

 8月から12月は下野市の自治医大子ども医療センター内で「花壇植栽整備」を実施しました。不足していた肥料や花きを追加し、景観を整備しました。関係者や子供たちに喜ばれたことは、会員のやりがいにつながっています。9月の「クラフト工芸教室」では、老化予防を目的に、手先を使い、肩掛けのショルダーバッグを制作しました。参加者は作品作りに没頭し、できあがりにとても満足した様子でした。10月にはとちぎボランティアネットと協働で、「孫に伝える原発避難のこと」として講演会を実施しました。また、当会は女性会員が多いため、美と健康に着目した「お肌マッサージ教室」や1月に「痛み、疲れが気になる健康体操教室」も開催しました。どちらも盛況で、参加者は楽しみつつも真剣にマッサージや体操を行っていました。また11月の「国産牛ステーキと幻のしいたけ(トムトム)ステーキを楽しむ料理教室」や12月の「南相馬の前田豚とんかつと餅を楽しむ料理教室」では、終始わきあいあいとした雰囲気で、実施することができました。どの会も30名程度が参加し、新たなつながりを感じる機会を創出することができました。

実施者の声

 それぞれの会を通じて地域の方や周辺施設などとの関係づくりを継続的に行っていくことが、結果的に避難者にとってのより良い環境づくりにつながると考えています。そのためには、一人一人が人や地域とつながっている意識を持ち、避難者で固まりすぎずに、感謝を持って地域に関わっていくことが大切です。「震災への思い」も語り続けていきながら、今後も取組を継続させていきます。

参加者の声

「大きな調理場を狭く感じるほど、多くの参加者がいました。皆で調理をし、最後には『良い年を』と皆で誓いあうこともできました」

「体操教室の二人一組でのゆがみチェックや、相互で確認試合はとてもよかった、仲間と一緒に参加する喜びがありました」