令和5年度取組事例集

取組団体


南相馬市小高区片草行政区
代表者 齋藤 秀幸さん


取組名称


片草行政区 如意輪観世音様 縁日祭


取組の概要

 南相馬市小高区片草に伝わる観音縁祭を、13年ぶりに復活させる取組を行いました。震災による地域の人口減少の影響で、長い間大切にされてきた地域の伝統行事を途絶えさせることのないよう、祭りを再開させました。本来は、青年団を中心に老若男女を問わない夏の風物詩として地元住民から親しまれていた祭りです。祭りを再開させることで、もともとあった地域の強いつながりを取り戻すことを目的としました。


取組の様子

 本取組では、1557年に建立された片草観世音様の境内で、13年ぶりに観音縁日祭を開催することができました。祭りでは、キッチンカーで焼きそばや、かき氷などを販売したほか、金魚すくいやビンゴ大会など幅広い世代が楽しめる工夫もしました。また、青年団や行政区のメンバーで櫓を組み、夕方からは盆踊りも開催。祭りを盛り上げる太鼓や笛は、20~30代の青年団とOB約20名がこの日のために練習を重ねて演奏しました。

 小高区は、震災によって祭りの担い手であった若い世代が県内外に避難しました。避難解除後も若年層の帰還が進まず、地域は高齢化が進む一方でした。こうした背景から、世代を越えた地域住民同士が交流を図り、親睦を深める必要があると考えました。震災以降、放置状態だった片草観世音様の境内とその周辺の整備・整地が少しずつ進んで来きました。そこで、地域内外にいる地元住民が再び集まって、13年ぶりの観音縁日祭を再開することにしました。祭りを行うことで、多くの家族や友人・知人との再会を実現させることができました。

実施者の声

 13年ぶりの祭りはとても盛況で、地域の住民同士が明るく語り合う姿や、子どもたちの無邪気な歓声を多く聞くことができました。長きにわたって中断された縁日祭を再開させるためには、多くの準備が必要であり、反省点もありましたが、開催には手応えを感じています。そのため地域住民のコミュニティ再生と更なる地域の復興を目的に、次年度以降も計画を整え、継続的に開催します。

参加者の声

「小学生の私は、小高区で初めての盆踊りに参加できて、とても楽しかったです。また来年も踊りたいと思います」

「祭りが再開したことで、地域の人たちが再び集まることができました。久しぶりに見る顔ばかりで懐かしく、話ができてとても嬉しく思いました」