令和5年度取組事例集

取組団体


グランマキルト会
代表者 横山 秀子さん


取組名称


グランマキルト会


取組の概要

 震災以降、これまで楽しく生活していた浪江町の住民は広域避難でバラバラになり、もともとあった地域コミュニティが失われました。そこで、いわき市に避難している町民を対象に、以前のように町民同士が交流し、生きがいを見つけるためのコミュニティとして、誰でも気軽に参加できるグランマキルト会を立ち上げました。教室に参加することで笑顔が育まれ、孤立や疎外感を軽減し、生きがい、やりがいにつなげることを目的としました。


取組の様子

 グランマキルトの教室は、浪江町役場いわき出張所内スペースで行いました。いわき市に選難している浪江町民の女性の方々が参加しています。教室では、カタログの見本からバッグ、ポーチ、ショルダーバッグなどの制作キットを購入し、講師の指導を受けながら作品を作っていきます。教室にそれぞれが作品を持ち合い、町民同士でわからないところを聞き合い、教え合っています。毎回楽しく和気あいあいとした雰囲気に包まれており、できあがった作品について批評や褒め合うなどの交流を図っています。

 また、制作した作品は「道の駅なみえ」から依頼を受け、展示を行なっています。自分たちが作った作品を展示することも参加者のモチベーションにつながっています。

 避難によって地域との関わりが薄れ、家に閉じこもりがちになっていた方もいましたが、教室を訪れ、交流や触れ合いを行うことで、笑顔が増えていきました。こうした取組が町民同士の心のつながりを深め、心身の健康を守るものになっています。

実施者の声

 家にこもりがちだった頃に比べると、この教室に参加したことで、皆さんはとても生き生きと生活されているように見えます。また、一人で作品を作るよりも、皆さんの作品を見ることで刺激を受け、さらにやる気が増すという傾向にあります。浪江町で展示会を年に数回行うことで、遠くに避難している方から連絡が来ると言う声も聞こえています。今後も常に向上心を持ち、いつも笑顔で和やかな居場所を作っていきます。

参加者の声

「教室に来て、みんなの顔を見て、お話をするのが楽しみです」

「現在の浪江町の状況を聞くことができるなど、情報交換ができます」

「外に出るきっかけができて、ストレス解消になっています」

「一人で作品を作るより、皆さんとお話しをしながらだと作品作りが進みます」

「完成した作品を批評し合い、褒めてもらえるのが嬉しいです」